【下京区町家コラム③】柱の根継ぎ&野地板の補修

傷んだ柱の根継ぎをしていただきました

傷んだ野地も古材を転用して補修

こんにちは、リノベーション設計の本田です。

少しずつ季節が変わり、暑いと感じる日も増えてきました。

現場の大工さんも半袖でがんばってくださっています。

前回「【下京区町家コラム②】内部の解体をしてみると‥」で

解体した後の町家の状態をご紹介しました。そちらからご覧いただくとよりお楽しみいただけると思います。

改修前の姿をご覧になりたい方は第一弾からご覧ください。

→「【下京区町家コラム①】小さな町家の工事がはじまりました!

さて、今回は町家の改修にかかせない「根継ぎ」をご紹介します。

町家の柱はたいていが地面に固定された柱石やコンクリートの上に置かれている状態のため、

足元が水やシロアリで腐ってしまってることが多いです。

今回の町家でも数本の柱が傷んでおり、完全に足元が失われてる部分もありました。

↓こんな状態です。

下に木が差し込まれていますが、手で簡単に動きます。

ここに新しい木を継ぎ足して補修するのですが、

大工さんが古い柱と新しい柱が頑丈につながるように

複雑な切込みを入れて組み立ててくださります。

↓大工さんの作業風景です。

この複雑な形、「金輪継ぎ」といいます。

神社やお寺などの社寺建築にも用いられる継ぎ方で

古くから木造建築の修理に使われてきました。

そして古い柱と新しい柱を組み合わせた完成がこちら!

新旧の色の対比が美しいです。

大工さんの丁寧な仕事に感動します。

もうひとつ、大工さんのアイデアで見事な修理ができた箇所をご紹介します。

2階の屋根の軒裏が雨漏れで腐ってしまっていました。

改修前はこんな状態です↓

野地板が腐って外れかけています。

ここに新しい板で張りなおすと古材との色合いが違うので

ちぐはぐになってしまったりするのですが・・・

大工さんが修理してくださった完成形がこちら!

同じ色合いの木できれいに直っています!

大工さんがどうしたのかというと・・・

町家を解体したときに出てきた傷んでしまった建具の板を転用しているのです!

↓こちらの舞良戸を・・・

分解して・・・

屋根に転用!

色合いもぴったりです。

このような感じで、現場の大工さんと相談して工夫をこらしてくのが、町家の改修では大切だと痛感します。

次回はもう少し進んだ町家リノベーションの状況をお伝えできるかと思います。次回もご期待ください!